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【2026年4月】ナフサ不足でエコキュートは値上がりする?影響と対策を解説

2026年04月14日

【2026年4月】ナフサ不足でエコキュートは値上がりする?影響と対策を解説

ナフサ不足でエコキュートは値上がりする?

2026年春、ホルムズ海峡の通航制限を機に、日本国内でナフサの供給不足が深刻化しています。エコキュートは電気を使う省エネ機器ですが、本体の樹脂部品・配管材・断熱材・塗料まで、石油由来の素材が使われることが多いです。

では、価格はいくら上がりそうなのか。今交換すると補助金と合わせてどう得なのか。

この記事では、ナフサ不足がエコキュートに影響する仕組みから、過去の事例をもとにした値上がりの試算を紹介します。この記事を読むことで、「様子を見るべきか、今動くべきか」を判断するための材料が揃いますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

ナフサ不足でエコキュートはどう影響を受けるの?

石油化学コンビナートの外観

「エコキュートは電気で動く省エネ機器なのに、なぜ石油原料の話が関係するの?」と感じる方も多いでしょう。実は、エコキュートの本体・工事部材・塗料まで、石油由来の素材が広く使われています。

そもそもナフサとは?エコキュートとの意外な関係

ナフサとは、原油を精製する過程で得られる軽質の石油製品です。ガソリンや灯油と同じ工程で作られますが、燃料には使われません。石油化学工場に送られ、プラスチック・合成樹脂・塗料・接着剤など、あらゆる化学製品の出発点となります。

ナフサを原料とする主な製品は次のとおりです。

  • ペットボトル・食品容器・ラップ
  • 衣類・合成繊維(ポリエステルなど)
  • 洗剤・シャンプーの容器
  • 塗料・接着剤・コーキング材
  • 電化製品の外装・部品
  • 住宅の断熱材・配管・壁紙

日本は石油消費量のうち約25%をナフサが占めており(石油化学工業協会)、ガソリン(約31%)に次ぐ規模で使われています。にもかかわらず、原油には国家備蓄が約250日分ありますが、ナフサには国家備蓄制度がなく、民間在庫は約20日分という非常に薄い水準でした。

2026年2月末、中東での軍事衝突を受けてホルムズ海峡が事実上の封鎖状態となりました。日本はナフサ輸入の約74%を中東産に依存しており、この海峡の混乱は日本のナフサ調達に直接的な打撃を与えました。 備蓄のないナフサだからこそ、供給不安は石油化学産業全体に波及しました。

エコキュートの「どの部分」にナフサ由来素材が使われているか

エコキュートは一見すると金属の塊のように見えますが、内部を分解すると石油由来の素材が至るところに使われています。本体・工事部材それぞれの影響箇所を整理すると、以下のとおりです。

【本体部品】

部位使われているナフサ由来素材
外装カバー・コントローラーケースポリプロピレン(PP)・ABS樹脂
配管継手・接続部品架橋ポリエチレン(PEX)・塩ビ(PVC)
貯湯タンク内部の樹脂部品各種汎用プラスチック
外装塗料・仕上げ塗装ベンゼン・トルエン系溶剤(シンナー)
配管の保温材発泡ポリエチレン・発泡スチレン系素材

【設置工事の部材】

工事部材使われているナフサ由来素材
給湯・給水配管塩ビ管(PVC管)・架橋ポリエチレン管
配管の保温カバー発泡ポリエチレン系保温材
接着剤・コーキングポリウレタン系・シリコーン系素材

給湯器1台には、燃焼室の外装カバー・配管の継手・コントローラーケースなど、多数のプラスチック部品が使われています。ナフサ由来の汎用樹脂が値上がりすれば、これらの部品コストが上昇し、製品価格に転嫁されていきます。 

すでに動き始めているメーカーへの影響

缶に入った塗料とハケを撮影した画像

ナフサ不足の影響は、製造現場ではすでに現れ始めています。エコキュート本体を作るメーカーではなく、その製造・工事に不可欠な「素材・部材」の供給元が次々と動き出しています。

塗料・シンナーメーカーの動向と製造現場への波及

エコキュートの外装には塗装が施されており、その製造工程でシンナーは欠かせない素材です。このシンナーの供給元で、値上げと在庫不足が同時に起きています。

【塗料・シンナー関連の情報まとめ】

企業発表内容時期
日本ペイント建築用シンナー製品全般を75%値上げ実施2026年3月19日発注分より
関西ペイントシンナー製品を50%以上値上げ・在庫切れ2026年4月13日出荷分より

店頭でも「一人1缶まで」「入荷時期未定」といった貼り紙が並び、ホームセンター等で棚から商品が消える事態が報告されています。

シンナーはエコキュート本体の外装塗装に使われるだけでなく、設置工事における配管の仕上げや防錆処理にも使われます。調達難が続けば製品の生産コスト増だけでなく、納期への影響も考えられます。

工事部材への波及は?

エコキュートの本体価格だけでなく、設置工事に必要な部材コストも同時に上昇しています。値上げ情報は以下のとおりです。

【工事部材・住宅設備の一次情報まとめ】

企業・製品発表内容時期
信越化学工業(塩化ビニール樹脂)30円/kg以上値上げ2026年4月納入分より
カネカ(発泡断熱材「カネライトフォーム」)40%値上げ2026年4月出荷分より
TOTO(システムバス・ユニットバス)新規受注を一時停止2026年4月13日発表

エコキュートのメーカーが現時点で受注停止を発表しているわけではありません。しかし、同じ住宅設備業界の大手メーカーが対応を迫られています。これは、エコキュートの今後の供給状況を考えるうえで無視できない状況です。

価格はいくら上がるのか?過去の事例と2026年の試算

半導体を撮影した画像

「値上がりリスクはわかったが、具体的にいくら上がるの?」

これが最も気になりますよね。過去の事例と現状を照らし合わせると、ある程度の目安を出すことができます。

2021〜2022年の半導体不足時の値上げ率

直近の参考事例として最も有用なのが、2021〜2022年に起きた世界的な半導体不足による給湯器ショックです。このときと今回のナフサ不足は原因は異なりますが、「供給問題が最終製品の価格と在庫に波及する」という構造は共通しています。

2021〜2022年にかけて、主要なエコキュートメーカー6社のうち5社が標準価格の10%前後の値上げを行いました。機種によって値上げ幅は異なりますが、おおよそ7万〜10万円の値上げです。

メーカー別の値上げ率をまとめると以下のとおりです。

メーカー値上げ率実施時期
三菱電機約10%2023年1月発売モデルより
ダイキン約10%2022年6月出荷分より
日立約10%2022年6月より
東芝約10%2022年モデルより
コロナ約10万円相当2022年4月より

交換費用全体(本体+工事)の相場は現在30〜55万円程度です。仮に前回並みの10%値上げが起きると、3〜5.5万円の負担増となります。工事部材(配管・断熱材)のコスト増も加算されると、この差はさらに広がります。

今回のナフサ不足が「前回より広範囲」な理由

半導体不足による値上げとの最大の違いは、影響が及ぶ素材の範囲です。半導体不足は電子部品・基板に限定された問題でしたが、今回のナフサ不足は本体部品・配管材・断熱材・塗料・工事部材と、エコキュートに関わるほぼすべての素材に影響があります。

比較項目2021〜2022年(半導体不足)2026年(ナフサ不足)
影響を受ける素材電子部品・基板のみ樹脂部品・配管・断熱材・塗料・シンナーなど広範囲
影響が出る経路1経路(半導体→制御基板)複数経路(部品・工事部材・製造工程が同時に影響)
代替調達の難易度一定の代替品ありナフサ由来素材の代替は短期間では困難
工事費への影響限定的配管材・断熱材・シンナーすべてに波及
価格転嫁のスピード数ヶ月〜1年原材料段階ではすでに始まっている

まだ各メーカーで値上げ情報は発表されておりませんので、現在の価格はまだ「値上がり前」である可能性が高く、本格的な価格転嫁はこれからと言えるでしょう。

もし値上がりしたら補助金の効果はどうなる?

貯金箱とお金を撮影し画像

ここまで「ナフサ不足でエコキュートが値上がりするリスク」を見てきました。一方、現在「給湯省エネ2026事業」の補助金で要件を満たすエコキュートに交換した方は、最大14万円受け取ることが可能です。もし値上がりした場合、補助金の効果がどうなるか見ていきましょう。

給湯省エネ2026事業の補助金額(最大14万円)をおさらい

「給湯省エネ2026事業」は、経済産業省が実施する高効率給湯器の導入支援制度です。令和7年11月28日以降に工事に着手したものが対象となります。 補助金の申請は業者が代行して行うため、自分で手続きをする必要はありません。

給湯省エネ2026事業の補助金額や適用条件の詳細はこちらの記事で詳しく解説しています。

「値上がり幅 vs 補助金額」で今が得か試算してみる

もし値上がりした場合、補助金の金額と、値上げ幅を比べるとどうなるでしょうか。ここでは補助金の金額別に4つシナリオで試算します。

前提条件

  • 現時点のエコキュート交換費用相場:本体+工事で35〜50万円
  • 想定値上がり率:前回(半導体不足)並みの約10%(3.5〜5万円増)
  • 値上がりが本格化するタイミング:2026年秋〜冬以降

【シナリオ別の損得試算】

ケース現実的な費用相場補助金実質負担(今)値上がり後差額
①標準機種・エコキュートからの買替35〜45万円7万円28〜38万円31.5〜49.5万円▲3.5〜4.5万円
②高性能機種・エコキュートからの買替40〜50万円10万円30〜40万円34〜55万円▲4〜5万円
③高性能機種+電気温水器撤去40〜50万円12万円28〜38万円32〜55万円▲4〜5万円
④高性能機種+蓄熱暖房機撤去45〜55万円14万円31〜41万円35〜60.5万円▲4〜5.5万円

この試算から読み取れるポイントは2つです。

1つ目は、補助金だけでも今すぐ7〜14万円の実質メリットがあるという点。値上がりが起きなかったとしても、補助金を使うだけで交換費用を大きく抑えられます。

2つ目は、「今動く」と「値上がり後に動く」では、差額が3〜5.5万円広がるという点です。補助金効果と値上がり分が相殺され、割安感が小さくなってしまいます。

まとめ|ナフサ不足時代のエコキュート選び、今できることは

2026年春のナフサ不足は、エコキュートの部品コスト・工事部材・納期の三つに影響しうる問題です。現時点で全面値上げは確定していませんが、過去の半導体不足時には主要メーカーが5〜11%の値上げを実施した事実があります。交換費用が30〜50万円とすると、1.5〜5万円以上の負担増となる計算です。

一方で、給湯省エネ2026事業では現在、最大14万円の補助金を受け取れます。値上がりが本格化する前に補助金を活用すれば、実質負担を大きく圧縮できます。ただし補助金の予算(570億円)は上限に達し次第終了のため、早めの行動がおすすめです。

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